当院の食物経口負荷試験実施状況

試験を受けた人数

2022年2023年
延べ人数347人435人
判定 陽性29人47人
陰性301人366人
保留17人22人
陽性:明らかなアレルギー症状が出た人
陰性:アレルギー症状が出なかった人
保留:軽微な症状(口周りの軽い発赤など)が出たが、アレルギー反応か判断ができなかった人

陽性者におけるアドレナリン筋肉注射使用人数

2022年2023年
1人2人

1割程度の方にアレルギー症状が誘発されました。ほとんどの方は、内服や吸入により改善しましたが、数名アドレナリン筋肉注射を行いました。 陰性の方は、ご自宅でも負荷量を超えない範囲で摂取を開始していただきます。陽性や判定保留の方も、負荷試験の結果を踏まえて、安全と判断される量をご案内し、摂取を開始していただく場合が多いです。

試験を受けた人の年齢

年齢2022年2023年
0歳143人140人
1歳85人123人
2歳32人43人
3〜5歳49人74人
6〜11歳33人40人
12歳〜5人15人

食物アレルギーは、離乳食で初めて食べたときや、離乳食を増量したときに発症することが多いため、多くの方は乳児期に発症します。当院では、食物アレルギーの方でも、安全に食べられる量がわずかでも判明すれば、できるだけ早くから(=乳児期から)当該食品を食べていただこうと考えています。初めてアレルギー症状が出て来院された方も、できるだけ1か月以内に負荷試験を実施するようにしています。このため、当院では0歳台の負荷試験が多いです。
園児さんや学童、学生さんの負荷試験は、乳児期からのアレルギー食品について食べられる量が増えたか確認するため、木の実類などの新たに発症したアレルギーを診断するためなどに行っています。

負荷食品

2022年2023年
鶏卵181人197人
牛乳50人64人
小麦31人42人
木の実 クルミ33人5人55人13人
カシュー15人24人
アーモンド13人18人
ピーナッツ10人17人
その他42人60人

負荷食品と判定

2022年2023年
陽性陰性保留陽性陰性保留
鶏卵5人173人3人11人186人0人
牛乳7人36人7人5人55人4人
小麦1人27人0人4人36人2人
クルミ4人1人0人5人13人4人
カシュー1人13人1人3人21人0人
アーモンド0人12人1人0人18人0人
ピーナッツ3人5人2人1人15人1人

乳児期の食物アレルギーは鶏卵、牛乳、小麦が多いので、当院の負荷試験は鶏卵負荷試験が最多です。
最近は、木の実類の負荷試験が増加しています。血液検査が陽性でも、食べられる方はいらっしゃいますので、実際に食べたことがない場合は、診断のために負荷試験を行う場合があります。クルミやカシューは陽性率が高い傾向がありますが、アーモンドは比較的陽性者が少なかったです。

試験を受けた人のアレルギー検査値(CAP-RAST)

鶏卵

クラス2022年2023年
6(100 UA/mL以上)1人3人
5(50.00-99.99 UA/mL)4人10人
4(17.50-49.99 UA/mL)35人40人
3(3.50-17.49 UA/mL)77人85人
2(0.70-3.49 UA/mL)46人42人
1(0.35-0.69 UA/mL)8人6人
0(0.35 UA/mL未満)4人7人
不明6人4人

牛乳

クラス2022年2023年
6(100 UA/mL以上)0人0人
5(50.00-99.99 UA/mL)0人3人
4(17.50-49.99 UA/mL)7人7人
3(3.50-17.49 UA/mL)17人22人
2(0.70-3.49 UA/mL)17人27人
1(0.35-0.69 UA/mL)1人2人
0(0.35 UA/mL未満)4人3人
不明4人0人

小麦

クラス2022年2023年
6(100 UA/mL以上)0人0人
5(50.00-99.99 UA/mL)0人1人
4(17.50-49.99 UA/mL)2人4人
3(3.50-17.49 UA/mL)10人11人
2(0.70-3.49 UA/mL)13人20人
1(0.35-0.69 UA/mL)2人2人
0(0.35 UA/mL未満)4人3人
不明0人1人

血液検査の値が高くても、わずかな量なら食べられる方はいますので、値が高いだけで負荷試験を行わないということはしていません。完全除去を続けるより、わずかな量でも食べている方が、早く治る場合もあるからです。過去の症状から、危険と判断し負荷試験を勧めない場合もありますし、微量の負荷試験を勧める場合もあります。検査値が高いだけで、除去継続を指導されている場合は、負荷試験ができるかどうか当院を受診して相談していただきたいと思います。